ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

クズころがし 鈴木拓(著)

キングオブコメディアンジャッシュが好きなので、それらが出演しているテレビ番組やインターネット放送、DVDで鈴木拓をよく見た。そしてその中で鈴木拓が面白く鈴木拓目当てで見る放送も出てきた。

放送で見る限りでは鈴木拓は馬鹿として扱われているようだが、話の発展のさせ方や切り返しからキングオブコメディ高橋と同じように「頭が良い」と感じていた。

キングオブコメディ高橋はニコニコキングオブコメディで頭の良さはわかったし、「卑屈の国の格言録」からもその思考過程の素晴らしさがわかった。

だがドランクドラゴン鈴木に関しては、そのようないわゆる「トーク番組」で1時間や2時間をしっかりと話す場がなかなか無いのでその確信を得ることは出来ないでいた。

そんな鈴木拓が本を出すと知ったら買わないはずはないだろう。

 

クズころがし

クズころがし

 

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届いてすぐに読んだが確信だ。やはり頭が良い。

世間からする「勉強が出来る頭の良さ」ではなく、「生きるための頭の良さ」、「仕事をする上での頭の良さ」としての頭の良さだ。本書は実際に鈴木拓が書いたのか代理作家が書いたのかはわからないし、そもそもに本当のことを書いているかはわからない。

それは実際に直接話を聞いたとしても同じことだ。


だが本書を読めば今までに騒がれた鈴木拓の行動が納得できる。いわゆる炎上騒ぎなども、鈴木拓の仕事の一環でしか無い。

鈴木拓を非難し、炎上が起きて喜んでいるというのは、まさに鈴木拓の手の上で転がされているようなものだ。本書を読めばさらにそれで騒ごうとするかも知れないが、きっとそれも鈴木拓の考えの範疇だろう。

例えばそういった人間は「お客様は神様だ」と思い込み、自分は「神聖なる視聴者様」であり、その神聖なるお客様としてクレームを言う権利が有るといきり立って騒いでいるのだろう。

だがもちろんこれは完全なる思い上がった勘違いで、芸能人のお客は視聴者ではない。これは「芸人だったら面白いことを言え」に書いたとおりだ。

だがそれに気づいていない、勘違いしている視聴者が世間にはいくらでもおり、芸能人の中にも勘違いしている人も居るだろう。

P64.

誰の目を、誰の評価を一番に気にしないといけないかと言ったら、お客さんであるスタッフさんです。

プロとして仕事を受けたワケで、仕事をくれる人、仕事を一緒にする人の言うことや発注を、100%叶えないといけないです。

それは芸能界だけではなくて、会社でも、一般の仕事でも同じ。

自分のお客さんの要望にきちんと応える。

それが仕事ですから。

「周りの人の目が気になるので、そういう仕事できません」

そんなバカ、すぐにクビですから。

 

だが、鈴木拓はこれを理解している。他にも視聴率についても記載もあるが、これももっともな内容だ。

鈴木拓は世間一般のサラリーマンよりも仕事というものについて考えているだろう。

 

そして、そんな勘違いしている人間を理解し、それを操縦して自分の仕事につなげる術もわきまえている。

P69.

そもそも。

自分の人生におよそまったく関係のない赤の他人への悪口や罵詈雑言を平気で書ける奴なんて、その時点で100%変わったヤツです。

まぁおおよそ、変わり者の小中学生のガキです。

「クレーム言って、こいつに制裁を与えてやろう」

「困らせて人の生活、幸せを妨害してやろう」

ご丁寧に人の粗探しをして、長い文章書いて、わざわざ送りつけて…って、人を貶めるためにだけに人生の全エネルギーを無駄に使える根性がドロッドロに腐った奴らですから。

 

この続きに炎上につながる部分が有るのだが、是非そこは自身で読んでほしい。

TwitterなどのSNSで人の悪口を書いたことが有る人は自分のバカさ加減に気がつけるか、「なにくそ」と思い鈴木拓を更に批判して鈴木拓を喜ばせるかどちらかだろう。

 

これはサラリーマンが読むべきビジネス書の部類だろう。