ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

東大生は「頭の中」をどう整理しているか 和田秀樹(著)

「東大生の頭の中を知る」と言うよりも、「東大生になるためには頭の中をどうすれば良いの、どう考えれば良いか」というものだろう。

私も過去に接した東大などのいわゆる高学歴については「東大生はなぜ会社で使えないのか?」で少し触れた。だが本書の前提とされている東大生とはだいぶ違う。

本書では東大生を勉強秀才と受験秀才として分けており、本書はその後者を対象として見ているが、私が経験したのは前者なのであろう。それ故に「自分は言われたことをやってきたのになぜ下につかなければならないのか」と言う考えなのであろう。

そして前者はなぜ使えないのか、後者とどう違うのかというのも本書を読めばわかりやすい。

  

東大生は「頭の中」をどう整理しているか

東大生は「頭の中」をどう整理しているか

 

 

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著者は進学塾の講師の面接で毎年200人程度の東大生を面接しているとのことで、その経験から東大生はどのように考えているか、東大に入るまでどのようなことをしてきたかという事をまとめて書いている。

基本的には東大生は特段に頭が良いというわけではなく、それまでに勉強を習慣としてきただけというのは同意できるところだろう。

本当に頭の良い人は東大なんか日本国内の人間のみで競争する場所にはいかず、アメリカなど、世界の人間と競争し、入学した後も競争し続けなければならないところに入る。そんなところを目指さずに東大に入るというのはそこまでの学力なのか、結局東大で妥協しておこうというような考えの人たちだ。

これも本書には記述があるので、高卒である私の考えが信用ならないという学歴コンプレックスの方はぜひ本書を読んで理解して欲しい。

 

本書内の東大生のイメージは進学塾の面接に来るような一部の人間で構成されたものであるから私の経験した人間たちとは大きくかけ離れる点もある。

だが世間一般に思われている「東大生=勉強一筋の堅物」と言うイメージを買えるには良い書籍だろう。