人事が拾う履歴書、聞く面接 佐藤留美(著)
なかなか面白い。
最近記事にしていたように転職に際して面接やら試験を受けてきたわけだけど、どうも私だけが浮いている。
例えば試験は柄シャツのノーネクタイで受けに行ったし、「ネクタイしなきゃなんだ」ということで面接にはネクタイをしていったけど結局ヒゲは剃っていない。そして面接では笑ったり笑かしたりとちょっとした無礼も働いている。
そんな私は今までに一般企業にちゃんと務めたことがないので「どうするもんなのか」と思いズバリというタイトルの本書を読んだ。
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まぁ私の行動は基本的にダメみたいだ。
私は履歴書にしても面接にしても本音を言う。自己の力量や技術に関しては自分で推し量ることが出来るものではないので多少誇張したりしているかも知れないが、コレまでの経験や志望動機、自己PRなんかは本音だ。
なんてったって、自分が採用担当をやっていた時には「嘘だろうな」ってのが簡単にわかる返答ばかりであったし、こういった「面接対策」をやってきたんだろうな。と思えるような人が多かった。
そういった人間はそもそも「自分で考えることが出来ない」と思い採用する気にはなれないし、「周りの意見を聞いて自分を繕う」人間と考えれば将来的にも何か考えるようになるとは思えない。
と考えるとそんな面接対策なんてすべきではないし、そんな本を読んでちょっとでも用意する事も間違いだろう。
面接なんてものはその人と会社がマッチしてるかどうかを直接話して調べる場なのに、用意してきた答えを聞かされても仕方がない。用意した解答を見たいのであれば応募の際にそれを添付させている。
ということで私はそんなものを読まず、用意せず、自分が思ったことを発言してきたし、その場所においても自分の普段の行動を見せるようにしてきた。
本書にも書かれているが「ヒゲは剃るべき」なんだとか。
コレは何故なんだろうか。私はどっちでも良いかと思うが、そこら中で今までに言われてきた。「サラリーマンならヒゲはそれ」と。
だが「何故ヒゲを剃らなければならないのか」と質問しても解答はあやふやだ。たまに「不衛生に見える」という珍回答はあるが、大体は「ヒゲはそるもの」という決定稿しか伝わってこない。
「ヒゲはそるもの」と考えている理由を質問しているのに理由もなくそれを押し付けてくるのは考えもなく盲目的に信じ込んでいるだけだろう。危険だ。
そして珍回答としての「不衛生に見える」とは意味がわからない。なぜ「ひげ」が不衛生に見えるのか。もしヒゲが不衛生に見えるのであれば、髪の毛も是非剃るべきだろう。
そもそも「見える」とはなにか。あなたの主観で人の行動を制限しようとでも言うのか。そしてその思い込みを人に押し付け、ヒゲの役割を無視して人の生命を危険に晒す。
「ヒゲを剃れ」と同じように「鼻毛を切れ」と言われるが、鼻毛なんてものは直接的に生命維持に関連しているのだから、「鼻毛を切れ」と言うのであれば「死ね」と言っていることと同レベルであるということを認識した上で言ってほしい。
ヒゲに関しても同じようなものだ。
だが私も頑なに剃りたくないわけではなく、毎日剃るのが面倒であるし、剃る理由が見つからないから伸ばしているだけだ。その理由さえ説明していただければ剃る位は人に合わせる。
とこんなことばかり言っているし、面接でもこのようなことを言うのだが、まぁ私の行動は全てご法度なのだろう。
だがなぜ4次試験まで行けたのだろうか。コレまた謎だ。
本書には私の考えと重なる部分が有るのだが、結局は「面接マニュアル」のようなものなので、本書に書かれていることと、本書の内容は矛盾するだろう。
だが他の書籍をパラパラ見てみた所、本書は他の書籍よりは幾分もマシかと思う。