ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

なぜそれは起こるのか―過去に共鳴する現在 喰代 栄一(著)

本書は10年ほど前に購入していたのだが今まで読んでいなかった。タイトルから宗教的なものを感じたて手に取ったのは覚えているのだが、その理由から今まで読まずに居た。

だが最近今までに購入したまま読んでいなかった本を読み始めたのでその一環で読んでみた。非常に面白い。

私は最近に余剰次元について調べているのだが、本書のシェルドレイクの仮説はその余剰次元に関連するものと考えられるかも知れない。例えばシェルドレイクにおける形態形成場は目視や人間の五感では観測できないことが多いが、形態形成場がその余剰次元に存在するものであれば納得も行く。さらに、その形態形成場が余剰次元に存在するということであれば、形態形成場が時間と距離に依存しないという説明にも納得がいく。

私が本書を10年以上前に購入していたにも関わらず今まで読んでおらず、急に今読んだというのもカール・ユングシンクロニシティに関連するものになるかと思っている。


「シェルドレイクの仮説」と言われても聞いたことがない方が多いかも知れない。

世間で「テレパシー」と聞くと似非科学疑似科学、ホラ、言ったもんがち、宗教、等と様々なイメージを抱く方が多いかと思う。シェルドレイクの仮説(以下、形態形成場仮説)もそれに非常にいている。形態形成場仮説とは言葉のまま「形態を形成する場」と言うものだ。

形態を形成する場とは、単純に言えば人間の「手」や「足」が存在するのは、その形(形態)に成る(形成)力(場)が存在するからと言うものだ。例えば現在ではDNAがその動物の形を形作っていると言う説が一般的になるが、そのDNAと合わさって、形態形成場が存在するからそれはその形に、いや、そもそもにその動物はその動物として生まれてくるという説になる。


ここまで読んで「馬鹿らしい」と思った方がいたとしても仕方がない。だがこの形態形成場仮説は実際に実験が行われてその成果が発表されている。科学として誤っているというのであればまずはその成果について反証をしなければならない。それをせずに「嘘」や「それはない」と考えるのであれば、貴方自身が信じているものが「似非科学」であるという事を理解して置かなければならい。

科学とは証明されたものを受け入れる分野なのだ。先からも書いているように、証明を反証できもせず受け入れないというのは科学ではなく宗教となる。


本書のこの仮説が私が生きているうちに証明されるのか反証されるのかはわからないが、この説は非常に面白く、そんじょそこらのわけのわからない仮説よりは力強いものである。

例えば多世界解釈にしても、その多世界は形態形成場によってそれぞれの存在が形作られていると考えればどうだろうか。これはかなりわけのわからないものになるが、余剰次元が発見され、そこに形態形成場の可能性が出るとすればどんな今の仮説もそれに繋げることが出来るだろう。形態形成場と多世界解釈は万能な考え方だ。

P235-236.
また「形の場」が何でできているのかわかないかぎり、そんなものはあるといえるわけがないと考える人もあろう。しかし、現代科学では電磁場も電力場も明らかに存在していると認められているにも関わらず、それらの場が何で出来てるかという問いに解答を出すことは不可能なのだ。場はそれ自体が時空の構造としか言えないのである。「形の場」にしても時空一つの存在構造なのだ。

これに限る。