ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

売れるセミナー講師になる法 前川 あゆ(著)

セミナー講師に成る法」というのではなく、「私はこう考えて講師をしている」、「講師はこう考えれば良い」と言う書籍になるかと思う。

もっとも「成る方」としての基礎、「セミナー講師の初め方」と言うのが無いのだから本書のタイトルは適切ではないとしか言いようがない。

売れるセミナー講師になる法 (DO BOOKS)

売れるセミナー講師になる法 (DO BOOKS)


たしかにセミナーは儲かる。私もセミナーをすればある程度稼ぐことは出来るだろう。世間にはそれほど悪徳なセミナーが多い。私もまれに広告が来るが、「○○円稼ぐためのセミナー」のようなものが巷にあふれているのだ。

「○○円稼ぐためのセミナー」の内容など非常に簡単なものだ。同じく「○○円稼ぐためのセミナー」を開催すればいいだけだ。そうすればあなたと同じような興味を持った方が参加してくれる。内容もそれを説明すればいいだけなので単純で、実践すれば儲かるのであるから不満も出ないだろう。



だが本書ではそういった悪徳なセミナーではなく、真っ当なセミナーとしての考え方が書かれている。セミナーだけではなく、講師なんかにも適応できる考え方だろう。だがその「まっとう」とは、内容ではない。「まっとうに考えられた」というものである。

少々著者が自分に酔いしれて、「こんなに苦労した」という内容が多々あるが、それを苦労話として共感するか、どうでもいいから結果だけ教えろと思うかは読みて次第になるが私は後者である。セミナー講師に成る方法を書くのであれば自分の苦労話はどうでもいいだろう。それよりも、本書を読んでセミナー講師を目指す方が苦労しない方法を示していくべきだ。

まぁ「セミナー女王」とタイトルにつけるくらいだから自分を「悲劇の女王」とも考えていることは簡単に理解できた。

内容としても「自分の苦労話をしろ」、「自分をブランディングしろ」という、セミナーの内容勝負ではなく、広告展開の手法が主に成り、本書もそれに力を入れている。これはたしかに「売れる」セミナー講師になれるだろう。内容よりも売ることを目的にしているのだから。



物語としては面白いかも知れないが、セミナー講師を目指すのであれば別の書籍が適切かも知れない。セミナー講師をしていて苦労していることがあれば本書を読みその対応方法を考える程度の書籍に成るだろう。

<決定版> セミナー講師の教科書

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