ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

Win-Winなんてものは存在しない

最近良く「うぃんうぃん」と聞くことがある。なんかやらしいあれの擬音語かと思っていたら違うようだ。

聞いてみると「Win-Win」だということ。それがなにか聞くと「双方にメリットがあり特をすること」と言う事のようだ。商取引などの場で「Win-Winな取引」として使うようだ。

だが言葉尻を攻めるようだがそんなものは存在しないだろう。勝者とは敗者がいるから成り立つものであり、敗者から見て逆の立場が勝者であり、勝者から見て逆の立場が敗者なのだ。お互いが勝者の場合、どのように考えて自分の立場から相手が勝者といえよう。相手が勝者とするのであれば自分は勝者ではなく敗者だ。

であれば双方が勝つことなどあるまい。

数学で考えても、正数があるから負数があるのであり、負数がなけれ正数もありえない。例えば長さにマイナスは無いだろう。無が0mとなるため、無より短いものはにために長さにマイナスはない。距離や座標では位置関係的にマイナスを使うがそれは座標の問題であるために長さには関係がない。

温度としても純粋の凝固点を0度と決めただけなので、凝固点以下の温度はマイナスとして存在し、摂氏と華氏ではマイナスになる基準点が異なるように、それは単なる起点から見てプラスかマイナスかという違いになる。温度にしても、本来的な絶対零度を0度とすればマイナスはない。

故に双方の関係から成り立つ言葉は対極に位置する言葉が成り立つから存在し得るのであり、片方しか存在しない場ではそれは成り立たない。よって勝者しかいない場など存在しないのだ。

二人で行うじゃんけんでも二人が勝つことはないだろう。同じ手を出せばそれは「あいこ」であり双方ともに勝者にはならない。

 

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長々と言葉尻を攻めたが私が言いたいのはこんなことではない。

 

双方ともに得する取引とはどういうものなのか。例えば二者間での売買取引を考えよう。

AがBに100円のものを売り、その代わりにBがAに1億円のものを売る。

 

これはWin-Winな取引なのだろうか。双方ともに売上が上がり双方ともに利益が上がっているのは間違いない。だがこれは商取引から考えると明らかにBが勝者だろう。そうするとAは敗者だ。

いやそもそもにこの取引に置いては勝者も敗者もない。商取引には勝者と敗者は存在し得ない。なぜなら相手にそれを買われることで損をするというのであれば売らなければ良いからだ。

「売らない」と言う選択肢を取らないからには何らかの理由があるはずだ。在庫コストのほうが高くつくから安くても早く売ったほうが良いのかもしれないし、今生鮮食品故に今売る必要があるのかもしれない。

だがそうするにしても、それを売る値段と、売らない値段のバランスがあるはずだ。損益分岐点があるからこそ商取引が成り立ち、それが損をするという事になれば「売らない」と言う選択肢になるだろう。であればそれを「売る」以上は損益分岐点で益側にあるはずだ。

であれば益側にある以上はそれはメリットであり、どのような取引に置いてもそれはメリットのあるものだろう。メリットがあることが勝者というのであれば双方ともに勝者という事はあり得るが、メリットがなければそもそもに商取引は行われないわけだから敗者が出ることはない。

たとえA社がB社に一方的に商品を売りつけるにしても、それはB社が必要とするからこそ買い付けるものでありA社にもB社にもメリットがあるはずだ。であれば売買取引全てがWinWinな取引になる。

現在的にはB社にはメリットがないにしても、それはA社との取引を今後共続けていくかもしれないし、現在A社にこびを売っておくことで今後の取引に置いて優位に立つからかもしれない。これにしてもB社はそれを購入するメリットがあるから購入するのだ。もしその取引を行うことで赤字がで、購入することで関係が悪くなるのであれば、関係悪化を望んだ取引以外ではそれは行わないだろう。もちろん関係悪化を望んでいるのであれば、それがその取引を行う上でのメリットになる。


先の例では100円と1億の利益の差を例に出した。これが敗者と勝者に分かれるのであれば、WinWinな取引など存在し得ないだろう。お互いの利益が完全に均衡する取引など存在しない。同じ額の利益が出るにしても、それまでの取引の間でより動いた側の会社には人件費がかかるわけで純利益は薄れることになる。そして会社の規模に置いても営業利益に応じて税率が変わる。そうすればお互いに同じ額の利益が出るにしても純利益は異なるものとなる。

であればこれも均衡した利益ではなくなる。どちらかの人間が動いた以上、相手からすればそれは相手に「やらせた」という行為になり相手が勝者足り得る。


こう考えると「Win-Win」な取引など存在せず、そう持ちだした側は「自社が望む利益をいただくが、相手方にも少しばかりの利益を与えてお互いに利益を出そう」と言う考えであるか、「相手側の利益があまりにも大きくなるために、少しでもその利益をうちに持ってこれるようにしよう」と言う交渉に使うための言葉であろう。

交渉のための交換条件としての発言であればそれも「セールストーク」になるので問題ないが、本当にWin-Winな関係があると思っているのであれば確実に相手より利益が薄く、傍から見ればあなたは敗者であることが間違いないだろう。

こんなこともわからずに簡単に「Win-Winでいこう」と言う人間は確実に頭が悪い。「使う側」からすれば良いが、「使われる側」であればそんな人間と取引すべきではないだろう。

 

このブログも私は記事を書き、あなたはそれを読むというWin-Winの関係だ。私と対等の立場であるあなたが私を責めるはずはない。

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