穴を掘って埋める作業とは
世間では「辛い作業」、「無駄な作業」の代名詞として「穴を掘って埋めるような作業」と言われているようだ。
だが本当に「穴を掘って埋める作業」というのは無駄で意味のない、辛いだけのものなのだろうか。 実際の仕事で考えてみるにしても、そのような作業は現実にいくらでもある。
たとえば塗装屋は色を落として塗るし、畜産家は産ませて育てて殺す。そしてそもそも商取引というものは、「商品を仕入れて売り払う」という行為の総体でしかない。
だがそれは辛く無意味なことなのだろうか。
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確かに仕事は辛いものであるが、決して先のようなものでは無いはずだ。
なぜならどのような仕事にも目的があり、その目的を理解し、その目的にむかって進んででいる。だからこそそれは辛いだけのものではなく、その作業の意味を感じ目的に向かって進める。
例えば穴を掘って埋める作業でも、それが井戸を掘るのであればわかるだろう。目的は井戸を掘ることであり、水が出るまでそれを繰り返す。同じように化石を掘るものでもなんでも、何かを探しているのであればそれはすぐ理解できる。
探し物でなく本当に単に穴を掘って埋めるというだけでも、それが「土地を耕すこと」や、「土地を掘り返し柔らかくする」ことであれば、単に穴を掘って埋めると言う作業でも、苦を感じずに仕事として続けられるだろう。
だからこそ流れ作業や、ベルト上を流れてくる商品を確認し続けること、ドモホルンリンクルのように一滴一滴の雫を見続けるような仕事だってできるのだ。
このように考えると、どのような仕事でもその仕事の意味、目的さえ理解していれば辛いものではなく、どのような仕事でも、その目的を理解していなければ辛いものになる。
ということは、仕事の辛さなどその仕事の内容よりも、その作業させる側の人間の説明や動機付け、管理がその仕事の結果の質を分けるということだ。
もしあなたの部下の業務効率が悪いと感じているのであれば、それは部下ではなく上司の責任が大きい。
どのような仕事でも、それをさせる側が結果を決めていると言っても過言ではないだろう。
コピーを依頼するにしても、それを「何に使うか」説明しておけば、「何をするか」説明しなくても能動的に作業がされるだろう。会議に使うならステープラーで止めて会議室に運ばれている。そして長時間の会議であれば水も用意されているだろう。
何をさせるかを考えるのではなく、何をするべきかを考えさせるように仕向けなければならない。