時計をあえて進める意味

腕時計やスマートフォン、パソコンの時計をあえて正しい時間よりも薦めている人が居るということだ。

理由を聞いてみると「集合時間や締め切りに遅れがちなのであえて進めて遅れないようにしている」とのことだ。

馬鹿げていると思いつつ聞いてみると、やはりそれでも遅刻は治らず、締め切りには遅れるということだ。

何故そんな馬鹿げたことをして遅刻が治ると思い、締め切りが守れると思ったのだろうか。

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遅刻を直したい、締め切りを守りたい。と思うのであれば、それを守るように努力する以外に解決策はない。

その努力が出来ないというのであれば、自分を追い込むしか無い。例えば遅刻した時点でその日は欠勤とする。締め切りを過ぎた時点でそれは提出しない。

欠勤をすれば給料は減るので何としても守らなければならないと自覚できるだろう。毎日遅刻しているというのであれば、給料はまるまるなくなるし、そもそも会社を解雇される可能性も有る。そんなリスクを背負っているのであれば必死に成るであろうし、解雇されても遅刻が治らないというのであれば、それは時計をどうこうして治る問題ではない。

締め切りも同じで、それを提出しなければ結局解雇に向かうだろう。そうなれば同じように必死に成る。

重要な会議に出席する場合であっても、遅刻すればそれに参加しないのだし、資料が出来なければ資料を提出しない。そうすれば本当に自分を追い込むことが出来る。

「遅刻が治らない」、「締め切りを守れない」と考えている人は、結局「遅刻しても大丈夫」、「締め切りに多少遅れても問題ない」と言う経験や考えがあるからそれを守らなくても大丈夫と「脳が思い込んでしまっている」のが問題だ。

自分としては重要だと思っているとしても、脳がそう記憶しているのであるから極力サボる方向に動こうとするだろう。

なのでそれを修正するには脳に「守らなければ余計苦しい状況に成る」ということを教えこまないといけない。

例えば、学生時代は親に起こしてもらっていて、ギリギリまで何度も起こしてもらわなければ起きれなかった人間も、就職して一人暮らしを始めればアラームで一人で起きれるようになったと言う人も多いだろう。

それも同じで「起こしてもらえる」と思っているから起きれない状況を自分で作り出し、その状況ではなくなったために「起きなければならない」と脳が判断して起きれるようになっている。

時計をずらして表面的に「5分前行動」をしようとしたとしても、自分で「5分ずらしている」と知っているのだから、それは結局5分間余裕があるとして行動してしまう。こうなれば結局どんどんと時間感覚のズレを生み出していってしまう。

もし本当に時計をずらして解決しようとするのであれば、自分ではない第三者に時計をずらしてもらうしか無い。毎日ずらしてもらい、15分進めている日もあれば、全く進めていない日も有る。そうすれば時計通に行動しなければ遅刻してしまう可能性も存在するために多少は意識するように成るだろう。

だが結局は「進んでいる可能性があるのだから多少遅れても大丈夫だろう」とスキを作ってしまい逆効果に成ることは予想できる。

また「進めている時計以外が存在しない状況」であれば有効だろうが、外に出れば他の時計と参照して自分の時計のズレを知ることができるので無意味に成る。

そして電車等の交通機関を使うとすれば、結局正規の時間まで待つことに成るのであるからこれで遅刻を解決することなど出来るはずがない。

ということを考えると時計を進めることは問題解決が出来ないだけではなく、それ自体がさらなる問題を発生させるデメリットでしか無い。

私も時計を1分ほど進めているのでこの話題になったのだが、これはそのような馬鹿げた理由で時間をずらしているのではない。

月差30秒の時計であれば、1ヶ月で30秒程度ずれる可能性が有る。そう考えると、そのズレを1ヶ月放置すると分刻みで動いている電車に乗り遅れる可能性が有る。

月差30秒ということは30秒進むことも、遅れることも存在するのであるが、その遅れることを許容して少し進めておけば、そのような問題を解決する方法としてそれは有効である。

まぁ私は5分から15分前行動を行っているのでそのような問題がそもそも起こることはない。だがそれの保険としても時計を少しずらしておくということは有効だ。

電波時計では少し進めるということは出来ないが、電波時計は月差30秒と考えると、一週間に一度電波を受信するとしてもそれほど大きなズレはないので進めておく必要はないだろう。