ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

「考える力」をつける本 轡田 隆史(著)

いやぁ、これは面白い。素晴らしい。感動した。

本書は著者を勘違いして購入した。その購入の経緯から購入から一ヶ月以上読んでいなかったのだが、タイトルがどうしても気になり読んだ。読めて良かった。心底嬉しい。

こういうことがあるから書店での購入は止められない。一期一会とはまさにこのこと。Amazon等のオンライン書店は決め打ちで購入するのには便利かもしれないが、このような取り違えからの購入は起こりえない。だが書籍はそう言った勘違いからの出会いも存在する。今まで何度も経験してきたが、本書に出会えたことが最高の間違いであったと感謝している。

書店の配置を担当した方に感謝を伝えたい。そして今後もその書店で書籍の購入を続けていきたい。


本書はタイトルに「考える力」とあるので自己啓発系の書籍と勘違いされるかもしれないが、決してそのようなものではない。本書は新聞や書籍などの文章の素晴らしさを伝えてくれている。そして、その情報を得ない事への恐怖も感じさせる。

私も今までに「本を読まない奴は馬鹿」と書いてきたが、本書を読んでそれをさらに実感できた。本を読まない者がいかに自己中心的に生活をしているかがわかる。

書籍を引用すると記事が長くなるので最近は引用を避けてきたが本書からは引用をしたい。それ程に私が伝えたいメッセージが本書には凝縮されている。引用したのはごく一部だ。本書には付箋を何十枚も貼ったほどに心に残った箇所がある。それ以上に一文一文が納得できる。
何度も読みなおす本は少ないが、本書はそうなるであろうことが今から予想できる。

初版の出版から20年近く経過しているが、現在も改版が出版されるのはその素晴らしさからであると考えざるを得ない。

P18.
考えたことは、考えたように実行しなければ、考えた意味がない、と言う言葉にも出会った。

昨日の「続ける力―仕事・勉強で成功する王道」でも書いたが、「やってできないことはない」とは言うが、逆に言うと「やらなければできない」のだ。

この内容もそれと同じように感じる。いかに複雑なことを考え解決できたとしても、それを行動に移さなければ意味がない。行動しなければそれは解決しなかったと同じなのだ。いくら考えても意味がなく、逆に言えば中途半端でも行動さえすれば結果は残る。
だからこそ行動して欲しい、行動するために考えて欲しい。さすればできないことはない。

考えるだけでは意味はない。考え行動すれば、やってできないことはない。

こう私の言葉を変更していきたい。

P68.
この場合の「買う」とは、書店で手にして、ちらとでもこころが動いたら、即座にその場で買ってしまうことを指す。
もうちょっと考えて、とか、明日でもいいや、とか、帰りに駅前のあの店で買えばいいか、なんぞと考えた瞬間、その本との縁は切れたと知るべし。

これは本当に私も人に伝えている。少しでも興味を持ったら購入して欲しい。購入して読み、一行でも心に残る箇所があればその本は買ってよかったものなのだ。「また次に来た時に考えよう」と思った書籍は大多数が次に考えることはない。次に書店に入った時には別の書籍が気になり、同じ事を繰り返しているはずだ。だからこそ興味を持てばその場で手に取りレジに進んで欲しい。

私も週に一度以上は書店に通っているが、毎回10冊ほど手に取り購入してしまう。本書にも記載があるが、積ん読は決して悪くない。私自身もそのようなペースで購入しているので読めていない書籍が100冊近く溜まっている。
だが本書のようにそれらの中から感動できる書籍が見つかるのだ。その感動から新たな思考が切り開けていくのだ。

この手に取るというのは気になった瞬間に手に取らなければならない。私も何度か失敗している。私は書店に入るとまず「新書」コーナーを見る。そこでいくつか購入しようと思う書籍を探し、「新刊」コーナー、「起業」コーナー、「経営」コーナー、「コンピュータ」コーナー、「自然」コーナー、「宇宙」コーナーを周り、「コンピューター」コーナーから逆順で購入を考えた書籍を手に取っていく。
これは購入する書籍が毎回10冊ほどになるので「持って回るのが重い」からという理由になるが、その間の数十分程度の間に「新書」コーナーの書籍が移動させられていたことがあった。これには参った。おおよその位置で購入する書籍を覚えているので、位置が変わればもうその書籍とは出会うことができない。これが「縁が切れた」と言う状態になってしまう。

だからこそ、本当に「気になった瞬間」に手に取らなければならないのだ。

P69.
その場で即座に買えないのは、一つには失敗を恐れるからだろう。せっかく買っても、読んでみてつまらなかったらどうしよう、と考えてしまう。
しかし、失敗も読書のうち。読んで、つまらない、と感じるのは読んだからなのである。「つまらない」と思っても、それを「失敗」と考えてはいけない。「つまらない」と判断できたことをむしろ誇るべきなのである。つまらない本をつまらないと感じられる人は、面白い本を面白いと感じられる人。失敗を心配するよりも、本質的につまらなく、くだらない本を、面白いと感じているかもしれないことのほうを心配すべきなのだ。

本を読まない人の言い訳は大抵がこれかと思う。「自分が気に入る本がない」、「高い金を出すんだから見合った内容の本を選ぶ」、「面白い本がない」。どれもこれも本を読まずしてその書籍の内容を裁量してしまっている。これが馬鹿の行動だと言わずなんと言えるのであろうか。
上にも書いたがその書籍の良さも悪さも「読んでみなければ」わからない。だからこそ購入し読まなければならない。読んだ結果それが面白くなかったとしても、その「面白くない」と言う経験が次に本を購入する際の経験として残っていくはずだ。そうしなければ良い本を選ぶ「眼力」も鍛えることができない。トレーニングとは失敗を繰り返すことで行えるのだ。

また失敗と思うことすらも馬鹿馬鹿しい。それは失敗ではなく、「その本が自分には面白くないと感じる」ことを学んだのだ。面白い本からはその内容から学び、面白くない本からはその本を読んだ経験から学ぶことが出来るのだ。


いい本を選ぼうと考えているだけでは何もならない。考え、選び、読んだからこそ経験があり感動があるのだ。

要約力―書く、読む、話す すべての能力は「要約力」で決まる!

要約力―書く、読む、話す すべての能力は「要約力」で決まる!

時代を動かす言葉―私が感動した名言100 (黄金の濡れ落葉講座)

時代を動かす言葉―私が感動した名言100 (黄金の濡れ落葉講座)