ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

Sencha TouchでつくるHTML5モバイルアプリ キヤノンITソリューションズ株式会社(監修)

これはひどい。前に「Sencha Touch2 実践開発ガイド」の感想として以下のように書いた。

「Sencha Touchを日本語で学びたい」と考えている方は「HTML5モバイルアプリケーションフレームワーク Sencha Touchパーフェクトガイド」「Sencha Touch2 実践開発ガイド」「Sencha TouchでつくるHTML5モバイルアプリ」という順番で読むといいかと思う。

本書は発売時点で購入してパラパラと「見て」、Sencha Architectを使った実践的なアプリケーションの製作方法が解説されていると考えていた。

Sencha TouchでつくるHTML5モバイルアプリ (Smart Mobile Developer)

Sencha TouchでつくるHTML5モバイルアプリ (Smart Mobile Developer)


だが実際に読んでみると絶句するほどの酷さ。確かに内容としてSencha Architectを使った実践的なアプリケーションのクイックスタートガイド的なものになる。

だが内容に誤りが多く、翻訳ミスも多い。そしてスクリーンショットは誤ったものが挿入されており、プログラミングを始めたばかりの人など、自分で内容から考えて解決できない人には理解すら難しい。1章目すらもかなりの時間を要してしまうかもしれない。

かく言う私も1章と2章を読んでみたのだが全く書籍の流れがつかめず、この2つだけで2時間以上かかってしまった。「このようになります」と書かれていても、「確実に」ならないので注意する必要がある。


「確実」に翻訳後に流れに沿った確認がされていない。断言できるのは一度でも確認されていればこのような間違いは起こらないはずだからだ。1パスで翻訳をし、そこに最終工程の画像を突っ込んでそのまま出版されたのであろう。そうとしか思えない品質である。

翻訳された語が出てきたと思えば、次のページでは翻訳前の用語が出てくるなど2ページの間でもちぐはぐな内容が多々ある。自分で推理してすすめていかなければならない。

2章にしても、書籍に書かれている手順通りに操作を行っても実際には動作しない。完成コードをダウンロードして確認してみると、全く違う操作がされたコードが出力されている。


原書を確認していないためこれは原書からなのか、翻訳時点での粗雑さなのかはわからないが、「翻訳」して出版するのであればそれらの問題を解決して置かなければならない。


あまりの酷さに2章の途中で読むのをやめてしまった。

本書は確かに日本語訳、日本語で出版されている書籍の中では最も実践的なSencha Touchの書籍になるが、日本語訳として認められる品質ではなく、内容としても誤りが多すぎる書籍となる。

返品を依頼してもいいくらいの品質だとも思えた。

Sencha TouchでつくるHTML5モバイルアプリ (Smart Mobile Developer)

Sencha TouchでつくるHTML5モバイルアプリ (Smart Mobile Developer)

Sencha Touch2 実践開発ガイド (Parade books)

Sencha Touch2 実践開発ガイド (Parade books)

HTML5モバイルアプリケーションフレームワーク Sencha Touchパーフェクトガイド

HTML5モバイルアプリケーションフレームワーク Sencha Touchパーフェクトガイド