ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

偶数と偶数の和は偶数

考えて欲しい。偶数と偶数の和は偶数。これを証明してほしい。

考えてから読み進めて欲しい。

数学の証明のしかた (発見的教授法による数学シリーズ1)

数学の証明のしかた (発見的教授法による数学シリーズ1)


偶数と偶数の和は偶数であることの説明」を読んでやはり結論づいた。

知識が発想や学びの邪魔をする」で以下のように書いた。

学校教育の中では答えを探すことを練習させられ、その答えは一つであると教えられてきたかと思う。学校教育は問題の中から一つの答えを探す方法を教え、その訓練をさせることで一つの回答を導き出す能力を付けさせる代わりに、考える力や想像力を欠落させているのだ。

まさにこれだ。結局学校では「解き方」だけ教えられ、それを「暗記」させられる。その背景など関係なく、良い点数を素早く取るためだけに暗記法を教えられる。そして世間もそれを望む。インスタント勉強だ。

例えば「バカバカ。馬鹿ばっか。ホント馬鹿。」に書いた、三角形の円周角と中心角の比率にしても、「覚えてない」と言う理由で解かない人が多数居たかと思う。その中で証明したように、三角形の内角の和がわかれば、いやそれすらもわからなくても解ける。


だが結局その考え方、考えようとする力が無いのだ。そうやって勉強して来たからその根本的な解き方、考え方ではなく答えを導き出すための「解法」のみを求める。証明など知ろうともしない。

例えば2次方程式についても解の公式のみを使い、それのみを覚える。平方完成などの暗記の必要ない解き方で解こうとはしない。いや、そもそもに解の公式を覚えていなければ解けないとでも思っているのではないだろうか。


先の偶数にしても、証明を知らなくても自分で証明すればいい。今知らないことを、自分の知識の中から解決することが「考える」と言うことだ。

まさにこの「考える」力が欠乏している。

悲しいことだ。


資格試験でも理論を知らずに暗記して覚えようとするアホがいる。「資格を取ってから正確な事を知ればいい」らしい。何のための資格だと思っているのだろうか。そんなやつは「運転免許を取ってから公道で試せばいい」とでも思っているのだろうか。

このような勉強法は考える力を損なわせ人間をダメにする。ダメになった人間だからそのような考え方をするのかもしれない。

いや、そもそも考えることが出来ないのだ。


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