ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

テストは100点を取らなければ意味がない

世間では合格点だの赤点だの何だのと騒がれる。

40点以上であればいいと考える人もいれば、80点以上でなければならないと考える人もいるのだろうか。だが私からすればそのどちらも正気とは思えない。テストは100点を取らなければ意味がないのではないのだろうか。

そもそもテストの目的は何か。

学校のテストであればそれまでの学習内容の評価のためだろう。それも「試験範囲」と言う言葉があるように、学校のテストなど範囲が完全に決まったものでしかない。それは授業で利用した教科書から選ばれる範囲であろう。であればそれはすでに絶対的に学習した内容から出されるというわけだ。であれば100点を取れないわけがない。

資格試験でも同じ事だ。民間のベンダー試験であれば教本が出されており、その中から試験が出題される。国家試験で会っても世間には「試験対策本」と言う訳がわからない本が出版されており、それで学習したら主な内容は理解できるようになっている。そんなテキストを使っている人間からすれば「100点」を取るのではなく「合格点」を取ることしか興味はないのかと思う。だがこんな馬鹿げたことはないのではないだろうか。

 

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例えばあなたが病院に行くことを考えて欲しい。その医者はぎりぎり合格点を出した人だ。人の命を直接操作する人間がそんなぎりぎりの人間で良いと思うだろうか。

弁護士にしてもそうだ。あなたが雇った弁護士がぎりぎりの勉強量で、さらに合格教本を利用して勉強したために「法律を理解している」のではなく、「合格するための内容を暗記している」人であった。それで裁判で負けたとしても理解できるだろうか。

もっと身近な自動車免許にしてもそうだ。あれほど合格点という意味のわからないものはない。標識の一部を理解しておらず、合流標識を見過ごしギリギリで突っ込んでくる人や、車線変更禁止ラインを理解せずに急に車線変更してこようと思う人間を目にしたこともあるだろう。100点を取れないという事はこれらについて理解できていないという事であり、それは結局的に事故を増発させることを意味する。事故とは人を殺すことでもあるだろう。「運転なんか雰囲気で出来る」と思っている馬鹿もいるかもしれないが、世間からすればあなたは「運転がど下手な自分勝手で危険な人間」として理解されているだろう。

 

このようにどのような事例にとっても100点を取らなければその資格を持つ権利はないのではないか。100点を取れないということはそれらについての一部を理解していないという事だ。理解していない部分があるという事はそれはミスにつながる。

例えば簿記試験に合格した人は「簿記の知識を持っている人」として扱われるだろう。だがそいつは「合格教本」などのテキストを使い、簿記を「理解する」のではなく「合格する」ために勉強していた。そもそもの簿記を理解していない。そんな人間と判断できずに経理を任せる会社にも責任はあるが、そもそもその資格を持っているとしている当事者の責任である。

そいつが簿記を理解しないまま会計ソフトを操作し、理解していないためにミスをして入力する。それは最悪粉飾や脱税と判断されることにもつながるかもしれない。理解していないことがあるということはこういうことだ。

もし自分がそれを理解していないことを理解し、実務の際に確認し持ってやるというのであればまだいいが、合格教本を使うような奴はそもそも全く理解していないために何を理解できていないなどの問題ではない。何も理解できていないにも関わらず知ったふりをしている。しかもそれを自ら望んでいるのだ。合格だけを目的にしたのだから。

更には択一問題の試験であれば勘で選択する人間もでるだろう。そうすれば実際は合格点以下の理解であるにも関わらず合格できてしまう。これは試験システムにも問題がある。

もし100点合格ではなく合格点というシステムにし、さらには択一式試験にするのであれば、採点の際に正答は点数を加算し、不正答の問があればその問について点数を加算しないのではなく減点しなければならない。そうしなければわからない問題でも「っぽいのを選択する」という行為が横行してしまう。減点対象になるのであれば自信がない問題については未記入とするだろう。そうしなければ点数が更に低くなってしまうのだから。

 

とにかくどんな試験にしろそれが試験であれば100点を取らなければなんの意味もない。少しでも理解していない部分があるのであれば、それを理解させてからでなければその資格を与えることを拒むべきだろう。そうしなければ結局それを理解していないものがその資格を持つことになる。

特に学校のテストなど100点でなければそれ以降手が付け用がない。例えば中学で連立方程式を理解していない人間がいるとすれば、それ以降に方程式を使う問題全てを理解できないことにつながる。であれば高校に入ったとしても高校数学の行列や微積分についてなんて理解できないだろうし、大学に入っても線形計画法のような単純な問題も解くことができない。

学校の勉強は全ては積み上げ式だ。小学校で足し算が出来なければ中学の数学は全て理解できないように、その時点でそれを理解できていなければ以後の勉強についていけない。

だからその場その場で100点を取っていかなければならない。そうしなければ今の90点が将来の0点につながっていくのだ。

 

とにかく100点をとれ。とれなければ取れるまで勉強しろ。