ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

売れているものを売るのか、売りたいものを売るのか

先に「赤字なら受託しないほうがいいのか」を書いた。

それと関連してよく聞くのが「そんなもの売れない」と言う話。例えば最近ならADSL回線や光回線と言った普及の過渡期が過ぎた商品や、高級ボールペンというような需要があまり無いような商品。

そういったものを売ろうとするとよく「そんなもの売れない。需要がない。」と言われる。

そういった人間は漏れ無く仕事の出来ない人間だろう。

 

営業の魔法

営業の魔法

 

 

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まず経営とは何なのか。流行に乗り、売れているものを売るのが経営なのだろうか。

たしかにそれも有るだろう。流行に乗り、その時代時代のニーズに合わせたものを売るというのも重要だ。

だがしかし、そんなことだけをしていれば会社に未来はない。

 

流行に乗るということは、誰か第三者が創りだした市場に参加するということだ。ということはどうしても一歩も二歩も送れるし、乗り出した時にはすでに供給がフローしているかも知れないし、すでに流行が去っているかも知れない。

となると流行に乗るよりは流行を作り出すこと、市場のニーズを見極め流行る前にそれを供給し始めることというのが最も大事なことだ。

ということは、それは「需要がある物を売る」のではなく、「需要を生み出す」ということになる。

 

仕事というのはそんなに甘いものではないことは実感しているだろう。

バブル時代であればまだしも、作れば売れるという時代ではない。いくら流行に乗った製品であろうと、プレーヤが多ければよりニーズをキャッチしたプレーヤが市場を支配する。

例えば現在でもいわゆるブロードバンドの新規契約は存在する。そして乗り換えも存在する。ということは1日の営業で50件の契約は難しくても数件であれば可能なのだ。

一件あたりの手数料として3万円得ることが出来るとすると、1日一件の契約でも取れれば自営業であれば生活できるだろうし、5件でも取ればかなり儲かるだろう。

私の兄もクーラーの取り付けをやっているが、それでも月に100万円近くの収入を得ている。そのような「売れているものを売る」と考えているサラリーマンには得ることが出来ない、信じられない給与だろう。

 

これが売るものを指定され売らされる雇われ社員の考え方と、自分で商品を選んで売る自営業者、経営者の考え方の違いだろう。

 

「売れているものを売る」ではなく、「売れるもの(商品として販売可能なもの)を売る」、「売りたいものを売る」というのが仕事というものだ。

売るものがなかったとしても、社長の爪の垢でも売り、その価値を上昇させ利益を上げていくのが経営というものだ。