タブレット会議の非効率性
先に書いた記事の通り、働き方改革の名のもとに無駄な業務が増えるので、ひとつ、業務改善をしておいた。
弊社の会議はタブレットを用いて行っている。
コレ自体も、会議資料の紙を無駄にしないためという建前のようだが、私からすればタブレットを使うほうが無駄。
確かに紙資料がなければ印刷コスト、用紙コストは掛からない。
- 作者: 榊巻 亮
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2018/04/27
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
だが、タブレットを使うということは、タブレット本体の購入費、保守費用がかかる。このコストだけで、何回会議を開いたらこのタブレット費用は回収できるという計算をしたらしいが、全くランニングコストが抜けている。
タブレットを維持するにはタブレットを充電する必要がある。タブレットが使われていない間にも電力は使われ、バージョンアップが行われ、通信が発生し、通信コストも発生する。
確かに印刷するにしても、用紙やトナー以外にもメンテナンス部品のコストはかかるが、印刷コストにはそれらも含めてのコストだが、タブレットを使うコストには電気代がまるまる、タブレットを収納する棚や、充電するための電源工事のコストが含まれていなかった。収納するにしても、棚だけではなく、そこに存在するだけで保存するコストがかかる。そこに保存する以上、そこを専有するコストがかかるのだから、そのタブレットを保存するのに、いくら家賃がかかるか、その土地にいくら固定資産税がかかるかを考えなければならない。
それらを検討した上で、コスト差以上の利便性が出るのであれば導入すべきだが、弊社ではデメリットが散見できる。
まず、事務職が会議を主催し、書記も行う。事務員が参加していない会議は議事が無く、審議したことにしての購入依頼が度々紛れ込んでくる次第だ。
事務職に関係ない会議すらも事務職が参加するようになっており、主催も事務職になっているので、準備も事務職が行うことになる。事務なのでそれが当然だといえばそうなのだが、この準備をする他業種が皆無なので、この無駄な労力に気づいていない。
ここまで、前記事のように、いかに事務職が大変化のアピールをしてきたが、このへんで閑話休題。
その会議資料をタブレットに入れる作業というのがアホ丸出し。ムダも甚だしい。なぜそれを不満に思わず繰り返してきているのかと思える始末。
1. パソコンで会議資料を作る
2. 会議資料を共有フォルダ(タブレットがアクセスできるフォルダ)にコピー
3. タブレットを起動
4. タブレットで共有フォルダを開き、ファイルをタブレットにコピー
5. コピーしたファイルを開く
この状態。
1.に関しては理解できる。資料を作らないのならタブレット自体が不要だ。2.も問題ない。事務職にも様々な権限があり、課や係に応じてアクセス権が違うため、タブレットを自分のアクセス権で開くのは無駄の極みだ。なので、誰でもアクセスできるフォルダにコピーするのは効率的だ。
3.も先に出した電気代の都合上、タブレットは電源を切って保管しているのでしかたない。私からすれば、スタンバイの電力なんてたかが知れているのだから、電源を入れる際のコストのほうが無駄に思うが仕方ないとする。
問題は4.5.だ。タブレットは操作しづらい。そこから、ファイルをあさり、自分がコピーしたファイルをデスクトップにコピーしてそれを開く。
そんな単一の作業をなぜ人間がしなければならないのか。
このファイルのコピー作業は1台1分近くかかる。共有フォルダを手作業で開くと反応が悪かったり、ファイルを探すのが難しかったり。30人の参加がある会議では、タブレットを棚から取り出すところから含めれば本当に30分以上かかってしまっている。
私がした働き方改革はこうだ。
1. すべてのタブレットのデスクトップに、共有フォルダのバッチを開くバッチを作る。
2. 共有フォルダからデスクトップに会議資料をコピーし、コピーしたファイルを開くバッチを置く。
これだけ。
1.のバッチはこれだけ。
\\KYOYU\copy.bat
このバッチに2.のファイルのコピーと開く内容を書けば良いかと思うかもしれないが、これも働き方改革。そうしてしまうと、コピーするファイルの場所を変えたとき、他の処理も付け足したいときに、再度タブレットを1台づつ編集しなければならない。なので、共通の処理は一箇所で管理したほうが良い。
他にも全く別の処理をしたくなったときも、この方法なら、共有フォルダ内のバッチに、タブレットにファイルをコピーする内容を追加すれば、どのような処理でも追加可能になる。
また、ショートカットではなくファイルをコピーするのは、Windowsではシステム保守の名の下、デスクトップに破損したショートカットが複数あるとそれを消してしまうという仕様がある。ネットワークに未接続な状態の際にショートカットが破損ファイルとして消される恐れがあるので、バッチへのショートカットではなく、共有フォルダのバッチを開くバッチを置いておくことにした。
偉そうに書いているが、2.のバッチも簡単。
cd %USERPROFILE%\desktop
copy \\KYOYU\copy.pdf
start copy.pdf
単に、デスクトップにファイルをコピーし、そのファイルを開くだけ。
この内容が難しいと言って、私が特別な能力を持っていると言い訳をする人もいるかも知れないが、そんなことはない。私もバッチファイルを書くのは初めてで、こんな事ができないかと検索したら10分ほどでこのシステムを組むことができた。
30人の会議の準備を考えれば、10分なんて些細な時間だ。会議室の机を並び替える時間にも満たない。確かに初回はバッチをタブレットにコピーするという同じ手間が掛かるが、それは資料をコピーするのと同じ手間で、一度行えば良いので相当なコスト削減になっているだろう。
なんでこんな作業が平然と、タブレット導入から5年以上も無駄に繰り返されてきたのかがわからない。その間の人件費はいくらかかっているのか。人件費が3000円の人間が行っているとすれば、この無駄な準備だけで30分で1500円のコストがかかることになる。
このコストと比較しただけでも、よっぽど印刷資料のほうが安くつくだろう。
こんな無駄な作業すら、省略しようとも思わない人間が集まっている以上、働き方改革もなにもないだろ。労働が労働を生み出し、労働するために労働を作るという悪循環の中にいる。
そして何より、情報係という、システム管理の部署があるにもかかわらず、それを行ってこなかった無能っぷりに驚く。
情報システムの会議にしても、トップがせっせと手作業でファイルをコピーしているのを見て程度がしれた。