ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

万年筆のインクの色なんてどうでもよくね

昨日「万年筆インクの耐水性とか耐光性とかどうでも良くない?」を書いた。そしてその耐光性と耐水性以外にも思うことがある。

インクの色なんてどうでも良くないだろうか?

私はブラックとブルーブラックとレッドを使っている。どれもパイロットのものだ。ブラックとブルーブラックは一般書きで、赤は修正を入れるようだ。今考えるとなぜブラックとブルーブラックを使っているのかわからないが、これは昔からの利用の名残だ。昔は近所に万年筆のインクが売っているような文具店がなく、取り扱いのあるインクを購入していたら2色を使うようになっていた。そのため万年筆は同じ型のものを2本ずつ購入して使っている。

この事情からその流れでブラックとブルーブラックの2色があるが、まぁどちらかでいい。今後そうしたほうが便利に思えたので今後はそうしよう。なので私は万年筆のインクは2色で十分だ。

世間では3色ボールペンが多く売れているようなので、世間のニーズ的にも黒、青、赤の3色で十分なのだろう。私も実際に3色使っていたのでそれが最も良いのかと思う。


だが世間では万年筆のインクの色にこだわりを持ち、インクを何十色も揃えている方がいるようだ。まぁこれも私には何をしたいのかがわからない。

これも先に書いた「コレクターの目的がわからない」のように、実用ではなくコレクション目的であれば使うこともないので中に入れるインクを変えることが楽しみなのであるかも知れない。だが、実用とするのであればそんなにインクを揃えて使うことは不便極まりないだろう。

世間の万年筆ユーザの人たちは「万年筆は実用向けだ」といいつつも結局は一週間に一回もインクを補充しないような用途であるのだろうか。例えば多くのインクを使って絵を買いたりメッセージカードを作るというのであればそれらのインクを用意しておく必要はわかる。だがそのような用途であればインクを変更できない万年筆は不向きだ。例えば10色使うにしてもF,M,Bの太さを要しておく必要が有り30本の万年筆が必要になる。不向きなのは言い逃れできないだろう。このような用途はガラスペンやつけペンの用途だ。

色を多く使いたいのであればそもそもにボールペンやカラーペン、色鉛筆のほうが多くの色や太さが販売されている。



そしてなにより、そのようなマルチカラーなインクは先に書いたように耐光性や耐水性が悪い。耐光、耐水試験の記事を書きつつも色の違いの記事を書いている人はなかなか痛い。

またそのようなインクはいつまで供給されているのかわからない。例えばブラックやブルーブラック、レッド、ブルー程度であれば定番になるため需要が続く限り供給されるが、パイロットにしても「色彩雫」のようなものはいつまで供給されるのかわからないので同じ色を使い続けることは出来ない。限定色というわけのわからないインクは尚更だろう。

そしてそのような色のインクは大容量ボトルが販売されていないためにゴミが多く出る。

私は「万年筆のBには気をつけろ」に書いてある通り、一日に大体1.5mlほどのインクを消費している。大体パイロットの350mlボトルを1年1本以上使用する。「今年の文房具」のように文房具はまとめ買いするので毎年1本か2本購入している。赤はあまり利用しないため350mlを購入せずに小さいボトルを数年おきに購入している。

先の色彩雫にしても50mlボトルしか無いために私が使えば毎月一本を使い切る。インクのために毎月1500円はなかなか高額ではないだろうか。そのようなインクは中身よりもボトルのほうが原価が高価になるため無駄が多い行為になってしまう。

このように定番色以外の色を使うことにメリットはないだろう。



そしてそもそもに万年筆が実用であればそのような微妙な色のインクを使うのは実用向きではないだろう。正式な書類のインクの色はブラックかブルー(ブルーブラック含み)になる。ブルーも認めていないところが多いだろう。普段使いの万年筆にそれ以外の色を入れていれば何本もペンを持ち歩かなければならない。

いや、万年筆ユーザの多くは何本もペンを持ち歩いているようなので、それが苦と思わず、嬉々として鞄から五本や十本刺しの万年筆ケースを取り出すのであろうか。



そういった記事を書いている人を見るとどうもこれらの感情を抱かずに入られない。もちろん私が書いている記事に対しても同じような感情を抱く方ももちろんいるのであろうが。