ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

パイロット 万年筆 カスタム ヘリテイジ92 B(太字) 透明ブラック

フィーバータイム中。先日に「HARIO 茶茶急須 と 香りマグカップ」を貰ったばかりだが、今日も万年筆が届いた。

実際は結構前に届いていたようだが、届け先の家にあまりいないので受け取りが遅れた。先の記事と同じように不在票が入っていることで「また何か届いてる」と気付いた事になる。これは「Amazonほしい物リストって危なくね?」に書いたとおりだ。

そして例によって誰から届いたかわからないのでココでお礼を言わせて頂く。ありがとう。


今回届いたのは「パイロット 万年筆 カスタム ヘリテイジ 92 B(太字) 透明ブラック」。

先日記事にしていた「英語の筆記体を勉強する」に書いた「最低でもカスタム74、贅沢を言うなら845、貰うならヘリテイジ、興味があるのはジャスタス。欲しいのはエラボー。」から、「貰うならヘリテイジ」と言う事でこれをくれたのかも知れない。

パイロット 万年筆 カスタムヘリテイジ92 FKVH15SRSNCM 中字

パイロット 万年筆 カスタムヘリテイジ92 FKVH15SRSNCM 中字


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そして実際に届いたものを見てみると「やっぱり自分では買わないな」という感想になる。だからこそ「貰うならヘリテイジ」としていたのだが、それ程にヘリテイジ92はキワモノと呼べるものかもしれない。

わたしは4点の意味でこのヘリテイジ92を「自分で買うことはない」と思っていたのだが、その4点の意味を書いておく。

ケルトン(透明ボディ)

哀しいかな万年筆には「おっさん」と言うイメージがあるので若者向けのデザインとしてスケルトン(透明)の軸を持つ万年筆を出したのかも知れないが、それが非常に安物っぽく、ちゃちく見えてしまう。
見えるだけではなく、実際に手にしてみてもちゃちい。100円のシャープペンシルやボールペンに透明なものが多く、高級品には金属や木製のものがあるが、そのイメージ通りで非常に安物のように見えてしまう。これが1万5000円とは思いづらい。

樹脂は光劣化や風化などの影響が大きく、さらにはスケルトンという事で劣化した際に白見がかってしまいその劣化がすぐに感じられてしまう。そしてスケルトンという事で内部のパッキンなどにも光の影響が届いてしまう為に劣化がどうしても早くなってしまう。また、樹脂の上にさらにスケルトンということで傷がかなり目立つ。

これらの理由で、この製品は他の製品のような「何十年も使う万年筆」ということはできないかと思う。

私は劣化の影響が少しでも小さくなるようにと考え透明ブラックを選んでおいたのだが、透明ブラックは「透明」と言いづらいほど結構な濃さになっていた。

スクリュー式(回転吸入機構)万年筆

ヘリテイジ92はスクリュー式万年筆ということで、本体にカートリッジやコンバータを装着すること無くインクの吸引をすることが出来る。コンバータ一体式と考えればわかりやすいかと思う。

私はコンバータはどうしても好きになれずカートリッジにインクを補充して利用している。
コンバータはその機構からどうしてもインクの吸入量が少なくなってしまい、さらにはペン先をインク瓶につけて吸入すると言う事からインク瓶にペン先の汚れが入ってしまう。インク瓶にペン先をつけるという事は吸入後にペン先のインクをふきとならければならないのだがそのインクが勿体無く感じてしまう。これは貧乏性から仕方がない。

ヘリテイジ92は本体とコンバータを一体式にした事でインク容量が1.2mlとカートリッジに比べて大容量になるためインク容量の問題はないが、後者2点はコンバータと同じように問題が残ってしまっている。

だがこのインク容量もB(太字)を選んだことから余り意味がなくなってしまった。これについては別に書く。

B(太字)

日本語は英語と違い漢字があるので太字の万年筆は使いづらいとされている。だがしかし、細字になれば「滑るように書く」と言う動作ではなくなってしまうため万年筆の魅力が薄れてしまう。

手帳のような小さな紙に日本語を書く際はF(細字)が一般的なようだが、Fは少し書き味が「カリカリ」と言う気がするので私はM(中字)をよく利用している。だから私はFとMの万年筆しか持っていなかった。

そこでB(太字)を試してみようとヘリテイジ92にBを選択していたのだが、Bを実際に利用してみると、やはりBで日本語を書くのは難しいという印象。確かに大きな文字で書く際には非常になめらかにかけて素晴らしいのだが、原稿用紙などでも少し厳しい文字の大きさになってしまう。

だがしかし、一度はBを使ってみたいと思っていたので試すことが出来てよかった。

メンテナンス不能

スクリュー式な上にスケルトンと複雑で微妙な設計になるためにヘリテイジ92は自分で分解が行えず、ペン先も着脱不能となっている。そうなると自分でのメンテナンスはもとよりペンクリニックでの修理も難しく、「自分好み」に調整するというようなことができない。

さらには左記に書いたように部品単位ではどうしてももろくなってしまうが、これについても自分では修理不能となってしまう。水につけて丸洗いという事もペン先だけしか行えず、尾栓を開放した状態で水につけると取り返しのつかない状態になるかと思う。



このようなことから私はこのヘリテイジ92を「自分で買うことはない」と考えていたので、人から貰うことで実際に使い試して見ることが出来てよかった。本当にありがとう。


だがしかし、今後利用していく上で1点問題点がある。ヘリテイジ92は1.2mlと大容量のインクを保持可能と書いたが、ペン先にB(太字)を選んだことでこの利点を感じることができなくなってしまった。

私は物を書く際にはM(中字)を使っていると1日に1本程度、F(細字)を使っていると2日に1本程度カートリッジを交換しているのだが、このヘリテイジではその大容量のインクタンクにも関わらず1日も持たずにインクがなくなってしまった。

そしてカートリッジならその場で交換も出来るのだが、インクボトルを持ち歩くわけにもいかないので出先でインクが切れて使えなくなってしまった。書き物をすると考えているときには少なくともインクを補充しておく必要があり、インクボトルから直接吸い上げることが出来たとしても私の使い方では少々難儀してしまう。

ヘリテイジを選ぶ際にはMやFを選ぶと最低でも1日は使えるかと思う。


また、これは製品固有の不具合かも知れないが、尾栓の1センチほど下に水分が進入しているように見える箇所があり、さらに書き始めにインクがでないことが多々ある。数センチから10センチほど線を書き続けるとインクが出始めるのだが、文字を書いている際などは文字を書きなおさなければならず使いづらい。

今までにこのような万年筆を使ったことが無いので不具合かと考えているが、Bを初めて利用したのでこれがB特有の問題なのかも知れないと少し思ってしまう。だがペン先を見ると左右が少しづれている気がするのでそれが問題なのかも知れない。

とりあえずパイロットに修理の問合せを出してみたので返事を待ち対応を考えようかと思う。



ここまでにはヘリテイジ92を批判していると感じられる部分をあったかも知れないが、私は批判しているつもりはない。私の利用方法とヘリテイジ92が合わないという感想であり、それは万人に対して当てはまるものではない。
このデザイン(特にノンカラー)は若者にも使いやすいかと思うし、Bを使って大量の文章や図面を書かない限りは1日でインクが切れることも考えづらいかと思う。


これはいいものだ。初めて万年筆を使う方や大学生のような若者にお勧めしたい。これは消耗品の万年筆と考えると使いやすいと思う。

パイロット 万年筆 カスタムヘリテイジ92 FKVH15SRSNCFM 中細字

パイロット 万年筆 カスタムヘリテイジ92 FKVH15SRSNCFM 中細字

パイロット 万年筆 カクノ FKA-1SR-LF 細字 ブルー

パイロット 万年筆 カクノ FKA-1SR-LF 細字 ブルー