ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

人はなぜハマるのか 広中 直行(著)

私は以前に「喫煙者への偏見」を書いたが、その中で喫煙者について「中毒だと言い訳する」と書いたが、その中毒とはどのようなものか、どのような常習性があるのかを調べる中で本書を読んだ。

本書は「ハマる」と言う言葉を使っているが、それは中毒や依存、習慣、嗜癖等数々の同様な用語の中からも適当な言葉が見つからず「ハマる」と言う言葉が適当であるという事から著者は「ハマる」という単語を選んでいる。

本書の内容については「麻薬依存」や「麻薬中毒」、「アルコール依存」や「アルコール中毒(アル中)」と世間から言われているものに対しての研究や実験結果の解説になる。なぜ麻薬に依存するのかというプロセスについてもそうだが、数々の実験結果から「ハマる」ということがいかに動物的なものかがわかるかと思う。


本書は禁煙したいと思っている人はもちろん、是非とも喫煙者の方々にも読んでほしい。

人はなぜハマるのか (岩波科学ライブラリー)

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タバコにハマっている人々は「自分は中毒だから」や「タバコは依存性があるから」といっように「仕方がない」と言い訳を並べるが、「中毒」や「依存」と言うものがどのようなものかわかっていないはずだ。それがわかっていないにも関わらず、「都合の良い言い訳」としてその言葉を発している。

本書を読めばその言い訳が如何に不自然で不都合なものかがわかるはずだ。例えば麻薬依存は「禁断症状」からくるものというものが痛切になっているかと思うが、コカインにはその「禁断症状」が無いにもかかわらず「コカイン依存」が存在する。このように人は言い訳として自分の知識を並べるが、その知識が誤っているのであればどうしようもない。

本書を読めば自分が置かれている「タバコ依存」、「タバコ中毒」というものについて正しい認識をもつことができ、「禁煙したい」と考えている人は自分がいかに馬鹿馬鹿しいかを知ることが出来るかと思う。


正しい知識を持ち正しい方法がわかれば正しい禁煙が行えるはずだ。タバコだけではなくシンナーやアルコールについても同じようにその原因を知ることが出来る。

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