考える力をつける数学の本 岡部 恒治(著)
なかなか面白い。後半は単純な問題とその考え方、解法が書かれているが、前半には「考え方」についてが簡単に書かれている。そこが面白い。
私はその後半を何問か問いてその簡単さ故に読み飛ばしたが、本書の前半にも書かれているように、これらの問題をもしかすると解けない人間も要るのかも知れない。それらが解けたということは私はまだ「考える力」があるのかとも思うが、問題が簡単なので、単に簡単に解けただけかはわからない。
どなたか読む人がいれば問題の感想を教えてほしい。
- 作者: 岡部恒治
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2001/10
- メディア: 単行本
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冒頭には「数学」というものの考え方が大変面白く書かれており、数学というものの「抽象度」については数行という短いものになるが是非とも読んでおいたほうが良いだろう。
先日「電子辞書は使うな」で電卓を若いうちから使うことの危険性について簡単に書いたが、本書にもそれが書かれていた。
P16.
「計算の時間を減らして、思考力の方に時間を」という考え方が有りますが、ガウスは、それをはっきり否定したのです。現在問題になっている電卓の使い方についても、同じことが言えます。
私の文章は少々わかりづらかったかと思うが言いたいことはまさにコレだ。数学的知識ももちろんのことだが、このようにそれを人に伝えるための国語についてもやはり非常に重要になる。
「思考力」なんてものは結局「数字」、その発展の「数学」をきちんと理解しているから得ることが出来るものであり、「答え一発」のように結果だけを得ることが当たり前であればその「数字」について意識することなど無く、結局それは「数学」の理解にもつながらない。であれば「思考力」なんてものは微塵も無いことは簡単にわかるだろう。
大学生や大学院生なんかにしても、ファインマンの書籍にも書かれているように「暗記」や「それがある」ということだけ知らされ、それを覚えているだけで、それを実生活の中で使えない、それを使う場になってもそれを当てはめることが出来ない、ということになりかねない。
どれだけ高度の数式を覚えていたとしても、それを実生活の中で当てはめることができる事が重要なのだ。百人一首を暗記していることになど何の意味もなく、その内容を理解し、それに風情を感じ、普段の生活の中にも見出すことに意味があるということは誰にもわかるだろう。百人一首を暗記したところで競技以外のなんの役にも経たない。
そんなことを数学として考えることが出来た書籍だ。