ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

「超」整理法―情報検索と発想の新システム 野口 悠紀雄(著)

先に「モノを探す時間」、「分類」を書いたが、その内容が網羅されている書籍になる。

本書は以前から手元にあったが何年も読んでいなかった。本書は1993年に初版ということも有り、20年間も現役で支持されている方法論だ。私もそれに興味を持っていたが、中々読まずに居た。

本書と並んでは知的生産の技術が有名であろうか。こちらに至ってはほぼ半世紀前の書籍になるにも関わらず現在も支持されている。いくらコンピュータの時代になったところで、結局は紙に依存し、その紙の管理、使い方は変わらないということであろうか。

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)

知的生産の技術 (岩波新書)

知的生産の技術 (岩波新書)


本書の後半はパソコンでの管理手法に成り、その内容については昨今のパソコン事情からすれば「古い」といえるが、前半の「押出ファイリング」というものは素晴らしい。私は先の記事で、「時系列に並べる」、「使った順に並べる」という整理、分類法を提案していたが、押出ファイリングはその「使った順」に書類を管理するという方法だ。

私はまさにこれを自分で実行している。角二(A4)封筒を使うという点もまさに一緒だ。少し違っていたのは、ラベルの記述位地と封書の上部をカットするということだろうか。私はラベルを正面の上部に住所を書くように書いていたが、押出ファイリングではウラ面の右端(左端)に書いている。これであれば確かにファイルの端を撫でるように見ていけばわかる。これは私のファイル管理にもとり込もう。

そして私は上部はカットせずにそのまま使っている。私は家に封書が届くことはないために10枚入り100円の新品の封書を購入しているため、封の部分が折れておらず、糊なども残っていない。そして、あえて糊のついていないものを購入している。確かに本書のように上部を切ると書類は取り出しやすいかも知れないが、私はその封のまま持ち歩いたりするので封を折り曲げて飛び出さないようにしておくことも必要になる。もう使うことのないと思われる書類は封をしてしばらく保存する。そして3ヶ月やそこら利用しなければそのまま捨てるという使い方が出来るのも、封をしているために他の書類が入り込まないというメリットになるだろう。



また私は書類や仕事のファイルなどを分類する程度であったが、本書の著者はパスポートなども封書で管理しているという。正直コレは私は実行する勇気はない。私はなんでも捨ててしまうため、ふと間違って捨ててしまう可能性があるからだ。私の正確の特性上、捨ててはいけないものはまとめておく必要がある。だが、書類以外のものも封書で管理するというのは日常生活にも使えるかと思う。写真なんかも封書に入れて保管しておけば分類に困ることはなく、それ専用に場所を取ることもない。これは素晴らしい。


私は本書の内容とほぼ同じことを独自に実践していたためにスッと内容を理解することが出来たが、本書の内容は整理法を根本的に変える方法であるため、押出ファイリングは一般には中々受け入れられづらいかも知れない。インターネットで検索すると多くの方が行っているようだが、それも「実行した方のみ」の感想であるため、これだけ長い間販売され、売れている書籍であるのにそれに比べて情報は多くない。そう考えると実行されている方は少ないのであろう。

確かに取り入れづらい内容になるかも知れないが、一度挑戦して見る価値はあるかと思う。一度挑戦すれば自分に対するメリットとデメリットがわかる。そうすれば今後の整理法にそのメリットを取り入れることが出来るだろう。整理法というものに万能というものはなく、そもそも押出ファイリングも利用者により多少アレンジされている。それでいいと私は思う。

そのように自分の正確や生活にあった方法でアレンジし、十人十色、いろいろな整理法を発見して欲しい。そのためにも本書はその基礎を学ぶ意味でいい書籍になるかと思う。

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)